検討者に選ばれる!住まいの内覧準備のポイント

住まいの購入を検討する際、お客さまは必ず内覧を申し込んできます。内覧でお客さまに知ってもらうべきことは、あなたの物件に対する「幸せのイメージ」です。
この物件に住んだら、きっとすてきな生活ができる、そう内覧者に思ってもらうことが目標です。
今回は検討者に選ばれる内覧準備のポイントを解説します。
広く、明るく、きれいに見せる準備をしよう
部屋から水回り、ベランダや庭まで、しっかりと掃除をします。クローゼットや押し入れも、すべて見せるのが内覧の原則です。
余計なものは片づけて、窓ガラスを磨き、壁、天井、照明器具や網戸などの埃や汚れも、きれいさっぱり落とします。
これだけで、部屋は広く明るく見えるはずです。
壁紙の破れや穴、床の傷、網戸やふすまの破れなど、簡単にできる修理はしておきましょう。
すぐに直せない場合は、あとでトラブルにならないよう、内覧者に正直に話すことも大事です。
マンションでは、エントランスや共用部分も忘れずに点検を。
散らかっていたり、照明が切れていたりしたら、管理会社に頼んで処理してもらいます。
引っ越し準備もかねて、少しずつ家財道具の整理や、掃除を進めると無理がありません。
また、住んでいる人が案外気づかないのが、住まいのにおい。
においが付きやすいカーテンやクッションは洗い、玄関や排水溝は丁寧に掃除をしておくとよいでしょう。
分譲時のパンフレットを渡すと喜ばれる
内覧希望があると、不動産会社から売主さんに連絡が入ります。
日時はできるだけ、相手の都合に合わせるようにしましょう。
当日の準備として、住宅展示場ほど凝った演出をする必要はありませんが、お客さまを歓迎する気持ちを込めて、花やグリーンを飾ってもよいと思います。
昼間でも照明は全部つけて、できるだけ明るくし、換気と室温にも気をつけてください。
たいていの場合、不動産会社の担当者が内覧者をお連れして、家の中を案内しながら、室内を見せていきます。
売主さんも少し下がって歩き、いつでも質問に答えられるようにしておきましょう。
もし分譲時のパンフレットがあれば、内覧者に渡してください。
事前に担当者に頼んでコピーを作っておくと便利です。
パンフレットには物件の詳細情報が書かれていますから、その場では要点だけお話しして
「物件のパンフレットのコピーを差し上げますので、後ほどゆっくりご覧ください」と言うと感じがよいですし、取引が成功する可能性も高くなります。
内覧者からの契約に影響する質問には、その場で答えない
物件の住み心地や、学校、病院、商店の場所など、地域での暮らしに関すること住まい購入の大きな判断材料です。
検討者は、実際にそこで生活をしている売主さんから、ぜひ聞きたいと思っていることです。
こうした質問には丁寧に答えましょう。
一方、「このエアコンは残してもらえますか?」といった、契約内容に関わってくる質問には要注意です。
雰囲気に流されて、うっかり「わかりました」、「考えてみます」などと答えてしまうと、相手はそれを条件に入れて購入を検討し、あとでトラブルになることがありますから気をつけましょう。
どうしても何か答えなくてはならない場合は、「この場では何とも言えません」くらいにとどめ、、あとは営業担当者に任せてください。
値下げ交渉をしてくる内覧者の対応も同様です。内覧者からの質問を交通整理して、専門的な質問に答え、売主さんが答えづらいことを代弁し、その場で判断できないことを預かるのは、営業担当者の仕事です。
内覧者がほかの不動産会社の紹介だと、その会社の担当者が同行します。
その際に売主さん側の担当者が立ち会わないことがありますが、それでは専任媒介契約している意味がありません。責任をもって立ち会ってもらいましょう。
まとめ
・物件の魅力が伝わるよう、掃除は念入りに
・内覧者に求められたら隅々まですべて見せる
・案内は営業担当がするが、売主も立ち会う
・住環境には丁寧に答え、契約条件に影響することは安易に回答しない
【コラム執筆者】

山本 健司
プロフィール
ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』