不動産売却を成功させるためのポイントとは?

不動産会社による物件の販売活動には、レインズへの登録、広告の作成、内覧(物件の見学)対応などが含まれますが、その中心は、いかに効果的な宣伝広告を行って、不動産を探している人々に的確にアプローチするかです。
今回は、これから売却を始める方にも、今売却中の方にも参考になる、不動産売却を成功させるためのポイントを解説します。
成功の決め手は、いかに効果的な宣伝ができるか
宣伝広告には、チラシ、住宅情報誌への掲載、看板、ネットサイトにスマホ広告とさまざまな方法があります。
不動産会社の担当者はこれらを組み合わせて、身近なところから不特定多数にまで情報を拡散していきます。
たとえばまず、自社の顧客リストから、興味をもちそうな顧客にダイレクトメールを送ります。
そして物件の周辺地域ではポスティングや新聞への折り込み広告を実施。
インターネットでも情報を公開して、より広い範囲から買いたい人を募るという具合です。
販売活動を担う営業担当者が、あなたのためにベストを尽くしてくれるよう、担当者からただ報告を受けるだけでなく、売主も販売活動の進捗には常に注意を払いましょう。
特に、不特定多数に情報を届けることができるインターネットは、現代の不動産販売に不可欠なツールです。
それを不動産会社の担当者が使いこなして、効率のよい販売活動を展開しているか、こまめにようすを聞いて確認してください。
ポータルサイトは、もっとも注目すべき宣伝媒体
不動産売買におけるインターネットの活用には、大きく分けて3種類あります。
ひとつはみなさんもうお馴染みの「レインズ」、もうひとつは「自社サイトでの広告」、そして「不動産ポータルサイト」です。
最近は全世代的に、ポータルサイトで物件を探す人がとても多いので、そこに情報が載ることは非常に効果があります。
もはや欠くことのできない販促手段だといえるでしょう。
私の会社も自社でお客さまを募集する際は、ポータルサイトを利用しています。
また、私たちは情報の囲い込みをしないため、ほかの不動産会社もポータルサイトや、各不動産会社のホームページにどんどん情報を載せてくれます。
その結果、主要なポータルサイトをきちんと押さえ、より多くの人に物件情報を見てもらうことができるのです。
この仕組みを知ったうえで、営業担当者がポータルサイトを有効利用しているかを確かめましょう。
掲載中の物件情報は、必ずチェック
あなたが売り出した不動産の情報は、どのポータルサイトに、どのような形で掲載されていますか?
はっきりわからなければ、すぐ担当者に確認しましょう。
必ず売主さん自身がサイトを見て、情報掲載に不備がないかチェックすることも重要です。
売り出し価格その他の物件情報に、間違いはありませんか? 掲載されている情報量は、今のままで十分でしょうか?
買手の立場になって見たとき、もっと知りたい情報はありませんか?
物件の写真は、実物を見てみたくなるような、明るく魅力的なものが使われていますか?
写真の印象が悪いのは致命的です。そもそもお客さまの目を引きませんし、まるで購買意欲をそそりません。
担当者に指摘をして、もっとよい写真に差し換えるなど、速やかに適切な対応をとってもらいましょう。
販売活動全般に共通した注意点です。
ネット以外にも手を抜かせない
インターネットでの宣伝には、ひとつ弱点があります。
関心があって自ら情報を探している人でないと、目に触れにくいことです。
家を売りに出していることを、あまり近所に知られたくないといった売主さんには、好都合かもしれません。
しかし、そのような事情が無ければ、チラシや新聞折り込みを使ったオーソドックスな広告活動で、ネット宣伝の弱点を補完する必要があります。
物件によっては、比較的年齢が高い層に向くものもあります。
スマホやパソコンとあまり縁がない方たちの目にも、情報が確実に届くよう、担当者に頼んでください。
住宅情報誌は、時間があるときにじっくりと、物件情報を比較検討したいお客さまに合っています。
周辺地域に集中的に宣伝するには、新聞への折り込み広告や、ポスティングも有効です。
こうした方法を総動員して、ターゲット層への物件の露出を確保することが成約への道ですから、担当者には絶対に手を抜いてもらうわけにいきません。
売主さんも気づいたことは遠慮なく指摘し、不明点はその都度確認するなどして、担当者の販売活動を応援していただくとよいと思います。
まとめ
・販売活動の中心は広告宣伝
・ネット宣伝を確実に行なってもらう
・広告は売主自身が必ず見てチェック
【コラム執筆者】

山本 健司
プロフィール
ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』