コラム

頼りになる不動産会社と担当の見極め方

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不動産会社選びは「会社×担当者」の掛け算で選ぶ

 

不動産会社選びには、担当者選びという側面もあります。自分に合う不動産会社選びとは、「会社×営業担当者」の掛け算です。

 

どんなに素晴らしい会社でも、営業担当者によって経験値はまったく異なります。実際に営業担当者と接してみて、能力に疑問がある、態度が悪いなど、あなたの評価がゼロだとしたら、掛け算の答えもゼロ。

 

納得できる担当者に代えてもらうなどしない限り、その会社を媒介契約の相手として選んではいけません。営業担当者が優秀であなたとの相性も良好なのに、会社自体が信頼性に欠けるような場合も、総合評価は低くなります。

 

 

 

よい営業担当者かどうかを見分けるポイント

 

あなたのもとを訪れた営業担当者は、物件を見てあなたの話を聞きながら、自分ならこの物件をどう売っていくか、頭のなかでどんどんプランニングが湧いてくるはずです。このように会って話をする中で、なるほどと思う提案があったり、気をつけるべき点を丁寧に説明してくれたり、率直に質問に答えてくれたりと、親身に対応してくれるのがよい営業担当者です。

 

売主さんも営業担当者も同じ人間同士ですから、話をしていてなんとなく相性がいい人を選ぶというのも合理的な判断基準です。反対に波長が合わない相手とのご縁は、そこで切ってしまってかまいません。これから売却が完了するまで、長い場合は1年以上お付き合いをするかもしれないのですから、担当者との相性は思いのほか重要です。ここで断ったら悪いのではないか、相手が気を悪くするのではないかなどと、気にする必要はまったくありません。

 

担当者の見た目もひじょうに重要です。スーツはヨレヨレ、靴はボロボロで、お世辞にも清潔感溢れるとはいえない担当者が、お客さまにあなたの物件の説明をしているところを、思い浮かべてみてください。一流のホテルやブランドショップのスタッフは、けっしてくたびれた格好で人前に出てきたりはしません。不動産会社の担当者は、それ以上の高額商品を販売するのです。売主さんだけでなく、未来の買主さんからも信頼される身だしなみが、どれほど重要かは想像に難くないと思います。

 

 

 

同じ方向を向いてくれる担当者が、一番よい担当者

 

優秀な担当者についてほしいと思うのは、すべての売主さんの当然の願望です。しかし“デキる営業”ほど抱えている案件が多いため、担当してもらったのはいいけれど、なかなかあなたの物件にまで手が回らず、後回しにされてしまうこともあり得ます。

 

大切なのは、自分と同じ方向を向いてくれる営業担当者を選ぶことです。「同じ方向を向く」とは、どういうことでしょうか。

 

売主さんの希望や事情は、一人ひとりさまざまです。とにかく高く売ってほしいという人、何が何でも指定期日までに売却しなくてはという人、売却に出していることを、周囲に知られたくないという人。どんな希望や事情があってもよいのです。不動産を売るのはあくまでもあなたなのですから。

 

あなたが不動産取引を通じてかなえたい要望、一番大切にしていること、この不動産取引で成し遂げたいこと、解決したいことにきちんと耳を傾け、意向を汲み取ったうえで販売活動に取り組んでくれる担当者こそ、「あなたと同じ方向を向いてくれる」担当者、あなたにふさわしいパートナーです。

 

 

 

 

まとめ

 

●優れた営業担当者は、話し上手で聞き上手。

 

●できること、できないことを、きちんと説明できるのがプロ

 

●態度や身だしなみも要チェック

 

●希望や目的を共有してくれる担当者を選ぼう

 

 

 

 

【コラム執筆者】

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山本 健司

プロフィール

ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』