マイホームを購入した人の年収はいくら?年齢や購入資金の平均もあわせて紹介

「今の年収でマイホームを購入できるのだろうか」「ローンを組んで家を買っても問題ないのだろうか」と悩む人は少なくありません。
そこで今回は、マイホームを購入した人の平均世帯年収や平均購入資金、平均年齢などを紹介します。
住宅ローンの返済期間や返済額の平均についても紹介していますので、マイホームの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マイホーム購入者の年収はどのくらいなのか
最初に、国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」をもとにマイホームを購入した世帯の平均年収をみていきましょう。
マイホームを購入した人の平均年収
国土交通省の調査によると、マイホームを購入した人の平均年収は以下の通りです。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
調査結果をみると、注文住宅を取得した世帯の平均年収がもっとも高い結果となりました。特に三大都市圏の平均世帯年収は1,000万円弱となっています。
分譲住宅や既存(中古)住宅の平均世帯年収は、注文住宅よりも低いですが、民間賃貸住宅に比べると高い水準といえます。
一次取得者と二次取得者で世帯年収は異なる
初めてマイホームを取得する人(一次取得者)と、すでに持ち家を取得しており買い替えをする人(二次取得者)の平均世帯年収は以下の通りとなります。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
一次取得者の方が二次取得者よりも平均世帯年収は低い結果となりました。
二次取得者の場合、注文住宅や分譲集合住宅の平均世帯年収は1,000万円を超えていますが、一次取得者は住宅の種類にかかわらず1,000万円未満です。
マイホーム購入者の購入資金と年齢
続いて、国土交通省の調査結果をもとにマイホームを購入した世帯における購入資金と世帯主の平均について解説します。
購入者の平均購入資金
マイホームを購入した人の自己資金額や借入金額などの平均は以下の通りです。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
※1土地を購入した新築世帯(土地購入資金も含む)
借入金額と合計金額は注文住宅がもっとも高いことが見て取れます。
注文住宅を取得した世帯の平均世帯年収が高かったのは、比較的高い取得金額をまかなえるだけの資金力を要するためであると考えられます。
一方、自己資金額がもっとも高いのは分譲集合住宅です。
金額は唯一2,000万円を超えており、分譲マンションを購入する世帯は多くの自己資金を準備して、住宅ローンの借入金額を抑えようとしていることが伺えます。
一次取得者の自己資金額や借入金額などの平均については、以下の通りです。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
二次取得者も含めた平均資金額と比較して全体的に低いものの、傾向は同様であるといえます。
借入金額と合計金額がもっとも高いのは注文住宅であり、自己資金額については分譲集合住宅が高くなっています。
購入者の平均年齢
続いて、マイホームを購入した世帯における世帯主の平均年齢をみていきましょう。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
マイホームを購入する人の平均年齢は、分譲戸建住宅がもっとも低く、既存(中古)住宅がもっとも高い結果となりました。
分譲戸建住宅を取得した世帯主の平均年齢は30代後半ですが、注文住宅と分譲集合住宅は40代前半、既存(中古)住宅は40代後半となっています。
二次取得者については、分譲集合住宅がもっとも若い点は一次取得者と同様ですが、もっとも年齢が高いのは注文住宅となっています。
マイホームを購入した人の住宅ローン
戸建て住宅やマンションの価格は一般的に高いため、多くの方が住宅ローンを借り入れて取得します。
では、マイホームを購入した人はどのような住宅ローンを組んでいるのでしょうか。
国土交通省の調査をもとに、住宅ローンの返済期間と年間平均額の平均をみていきましょう。
返済期間の平均
マイホームを取得した世帯における住宅ローンの平均返済期間は、以下の通りです。
- 注文住宅(建築)※1:32.7年
- 注文住宅(土地)※2:34.4年
- 分譲戸建住宅:29.7年
- 分譲集合住宅:28.0年
- 既存(中古)戸建住宅:26.2年
- 既存(中古)集合住宅:29.0年
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
※1:住宅建築における借入金の返済期間
※2:土地購入における借入金の返済期間
注文住宅の返済期間がもっとも長いことが見て取れます。
特に、土地を購入する場合の返済期間は34年を超える結果となりました。
分譲住宅や既存住宅の返済期間は、注文住宅よりも短いですが、それでも30年弱です。
マイホームを購入する人の多くは、返済期間が長い住宅ローンを組んでいるといえます。
年間返済額の平均
国土交通省の調査によると、住宅ローンの年間返済額や返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は以下の通りです。
※出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
年間返済額の平均がもっとも高いのは注文住宅の155.2万円であり、毎月の返済額は13万円弱となっています。
返済負担率ももっとも高い19.4%です。これは、年収の約1/5を住宅ローンの返済に充てている計算です。
平均の年間返済額がもっとも低いのは、既存(中古)戸建住宅です。
金額は108.3万円であり、返済月額は10万円を下回っています。
返済負担率がもっとも低いのは、分譲集合住宅の15.5%でした。
年間返済額と返済月額は分譲戸建住宅と同水準ですが、返済負担率には2.1%の差があるため、分譲集合住宅を購入する世帯の方が平均年収は高いことが伺えます。
マイホーム購入時の資金計画を立てるポイント
最後に、マイホームを購入する際の資金計画を立てるうえで押さえておきたいポイントを解説します。
頭金を入れすぎない
頭金を多く入れると、住宅ローンの借入額を減らすことができ、毎月の返済額や総返済額を抑えられます。
しかし、頭金を入れすぎると手元の貯蓄が少なくなり、不測の事態に対応できなくなるかもしれません。
例えば、病気やケガで働けなくなって収入が減ったときや、家電が壊れて修理や買い替えが必要になったときに資金が不足しやすくなります。
マイホームでの暮らしが始まったあとの不測の事態に備えるためにも、頭金は無理のない範囲で入れることをおすすめします。
完済時の年齢も意識して返済期間を決める
多くの金融機関では、住宅ローンの返済期間を最長35年としています。
近年は、40年や50年のローンを組める金融機関も増えてきました。
返済期間を長くすると毎月の返済額を抑えられますが、完済時の年齢が高くなり、老後も住宅ローンの返済が続きやすくなります。
一般的に定年退職を迎えたあとは、主な収入源が年金となり、世帯収入は低下します。
定年退職後も住宅ローンの返済が続くと、老後の家計を大きく圧迫して生活が苦しくなってしまうかもしれません。
返済期間を決める際には、今後のライフプランや収入の推移も踏まえ、完済時の年齢も考慮して慎重に計画を立てることが大切です。
まとめ
- マイホームを購入する世帯の平均年収は注文住宅が高い傾向にある
- マイホーム購入資金の平均についても注文住宅がもっとも高い。一方、購入者の平均年齢は分譲戸建住宅が若い
- 住宅ローンの返済期間の平均は30年前後と長期にわたりやすい

品木 彰(シナキ アキラ)
プロフィール
保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。
https://daisakukobayashi.com/