コラム

不動産価格指数とは?近年の動向と上昇傾向にある要因を解説

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不動産価格指数は、マイホームの購入や不動産投資を検討する際に、市場の動向を把握できるデータです。

 

不動産価格指数を確認し、不動産の価格が過去と比べてどのくらい変動しているのかを知ることで、売却や購入のタイミングを判断する際に役立つでしょう。

 

本記事では、不動産を売買する際に押さえておきたい不動産価格指数の基本や近年の動向について分かりやすく解説します。

 

 

不動産価格指数とは国土交通省が発表する公的な指標

 

不動産価格指数は、国土交通省が毎月発表している公的な統計データです。年間約30万件にのぼる実際の不動産取引価格情報をもとに作成されます。

 

現在公開されている不動産価格指数は、2010年の平均不動産価格を100として算出されます。

 

例えば、ある時点の不動産価格指数が120である場合、2010年と比べて不動産価格が20%上昇したことを意味します。

 

 

不動産の種類ごとに算出される

 

不動産価格指数は「住宅」と「商業用不動産」の2つに分類されて算出されています。

 

住宅に関する指数は「住宅地」「戸建住宅」「マンション(区分所有)」、それらを統合した「住宅総合」に分かれています。

 

算出のもとになるデータは、法務局の登記情報や不動産を購入した人へのアンケート調査などで調べられた実際の取引価格です。

 

 

不動産価格指数の季節調整値とは

 

不動産価格指数の季節調整値は、季節特有の要因による価格のブレを補正し、市場の純粋な動向を把握しやすくするための数値です。

 

不動産市場には、異動や転勤、入園・入学シーズンなどに取引が増加するといった、毎年決まった時期に見られる価格変動があります。

 

こうした季節的な要因を調整しないと、不動産価格の本来の動きが見えにくくなるかもしれません。

 

季節調整値は、毎年見られる価格変動を取り除いて計算されるため、不動産市場の動向をより的確に判断することが可能です。

 

 

2025年最新版!不動産価格指数の推移と注目ポイント

 

2025年(令和7年)6月30日に公表された不動産価格指数を見ると、日本ではマンションや戸建て住宅、土地などの価格は上昇傾向にあることが分かります。

 

1753955874-lnjy9.png※出典:国土交通省「不動産価格指数(令和7年3月・令和7年第1四半期分)

 

不動産の売却や購入を検討するときは、現在の住宅市場がどのような状況にあるのかを把握することは欠かせません。

 

ここでは、国土交通省の不動産価格指数から読み取れるポイントを解説します。

 

価格指数は全体的に上昇傾向

 

不動産価格指数(住宅)は、2013年ごろから上昇傾向が続いています。

 

2025年(令和7年)6月30日に公表された調査データによると、2025年(令和7年)3月における住宅総合の指数は148.6を記録しました。

 

これは、2010年の平均価格と比較して、住宅価格全体が約1.5倍まで上昇しているということです。

 

特に、マンション価格は著しく上昇しており、2025年3月時点の不動産価格指数(季節調整値)は220.0に達しました。10年あまりで価格が2倍以上になった計算です。

 

 

2025年は伸び率が増加傾向に

 

2025年に入ってからも不動産価格の上昇ペースは衰えていません。

 

2025年3月分の不動産価格指数(季節調整値)では、住宅総合が前月と比べて3.1%上昇しました。また、同年2月も前月比で2.2%上昇しています。

 

2024年の対前月比は、−1.0%台〜+1.0%台で推移していたため、2025年2月と3月の伸び率は比較的高いといえます。

 

内訳を見ると、戸建て住宅が5.1%増、住宅地とマンションが2.3%増と、いずれのカテゴリーでも価格が上昇しています。

 

 

不動産価格が上昇傾向にある要因

 

不動産価格が上昇傾向にある主な要因は以下の通りです。

 

  • 金融緩和による低金利
  • 円安と海外投資家の影響
  • 建築コストの増加

 

 

金融緩和による低金利

 

不動産価格が上昇している大きな理由の1つに、長年にわたる金融緩和政策があります。

 

2013年に自民党政権に交代したころから始まった日本銀行の大規模な金融緩和政策により、住宅ローン金利は非常に低い水準で推移してきました。

 

金利が低いと、月々の返済負担が軽くなるため、人々は住宅ローンを組んでマイホームを購入しやすくなります。

 

多くの人が住宅ローンを利用してマイホームを手に入れようとした結果、住宅の需要が高まり、価格が押し上げられたと考えられます。

 

2024年には、大規模な金融緩和政策の要であるマイナス金利政策が解除され、住宅ローン金利は上昇基調に転じましたが、歴史的に見れば依然として低水準です。

 

そのため、今後もしばらくは低金利の住宅ローンによる堅調な需要が、住宅市場を下支えする可能性があります。

 

 

円安と海外投資家の影響

 

2022年以降に進行した円安も、不動産価格を押し上げる要因となっています。

 

円安とは、簡単にいえば日本円の価値が下がって海外通貨の価値が相対的に上昇するということです。

 

円安により円の価値が下がったことで、日本の不動産価格は諸外国と比べて割安になりました。

 

その結果、外国人投資家にとって日本の不動産は魅力的な投資対象となります。

 

都心部のマンションやリゾート地の物件などが海外投資家から積極的に購入されたことで、不動産価格の相場は引き上げられました。

 

 

建築コストの増加

 

建築コストの増加も、不動産価格の上昇に関係しています。

 

中でも、特に大きく影響しているのが「建築資材の高騰」です。

 

建築資材の価格は、2021年ごろから始まった輸入木材の価格が急騰する「ウッドショック」や、世界的なインフレ、先述の円安など複数の要因により高騰が続いている状況です。

 

一般財団法人建設物価調査会の調査によると、建設工事で使用される資材の価格は2015年の平均価格を100とした場合、以下の通りに推移しているとされています。

 

1753955867-dA5jg.png※出典:⼀般財団法⼈建設物価調査会「建設物価 建設資材物価指数【2025年6月分】

 

2025年6月の建築総合の指数は142.2であるため、建築資材価格は2015年平均と比較して約1.4倍に上昇したといえます。

 

また、少子高齢化の影響による建設業界の人手不足が深刻化しており、人材を確保するために賃金水準が上昇していることも建築コストが上昇する要因となっています。

 

建築コストが上がると、新築物件の販売価格が高くなります。

 

新築価格の上昇を受けて中古物件の需要が高まることで、不動産市場全体の価格が押し上げられているのです。

 

まとめ

 

  • 不動産価格指数は、2010年の価格を100として不動産価格の変動を示す国土交通省の公的指標
  • 2025年現在も不動産価格は全国的に上昇しており、特にマンション価格の高騰が続いている
  • 近年の不動産価格が上昇する背景には、低金利の住宅ローンや円安による海外投資家の需要増加、建築コストの増加といったさまざまな要因がある

 

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品木 彰(シナキ アキラ)

プロフィール

保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。

https://daisakukobayashi.com/