司法書士とは
司法書士とは、司法書士法に基づく国家資格です。専門的な法律の知識に基づき登記及び供託の代理や法務局等に提出する書類の作成提出などを行う士業の一つです。この登記というものが司法書士の代表的なお仕事になります。不動産の名義変更もこの登記をすることになります。
また法務大臣から認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所において訴額140万円までの民事訴訟等において代理することができます。司法書士も法律を専門とする国家資格であり、その意味では弁護士資格に類するものになります。認定を受けた司法書士は一定の範囲で弁護士と同じような業務を扱うことができます。
登記とは
登記とは権利関係などについて社会に知らしめるために法務局の登記簿に登録する制度です。
例えば、不動産を譲り受けた場合、民法上、不動産の所有権という権利が譲り受けた人に移転することになります。しかし、「所有権が移転している」とはいっても、権利自体は目に見えないし、不動産の本当の所有者は誰であるのかは、一見しただけではわかりません。そこで法務局という役所に保管されている不動産登記簿という記録簿に、権利が移転している旨の記録をする必要があります。これが登記になります。
不動産に関する権利関係を記録したものが不動産登記になります。不動産に関する権利関係で代表的なものが所有権に関する登記です。他にも抵当権などについても不動産登記簿に記録されます。マイホームをローンで購入したことのある方ならご存知かもしれません。
不動産の所有権に関する登記は、売買や贈与など様々な原因で移転することになりますが、相続を原因に移転する場合も当然、登記簿に記載することになります。これがいわゆる相続登記になります。
登記は自ら申請する必要があります
不動産登記簿は、法務局という役所で保管されていますが、法務局が自ら登記簿を書き換えてくれたり、登記簿が更新されていない場合に、「所有権が移転しているはずだから登記申請して下さい。」などと言ってくることは基本的にありません。ですので、相続などで権利を取得した方が自ら申請することになります。
登記は自分で申請することも可能ですが、法律に定められた手続きに則って書類を提出したりしなければなず、また、その書類も専門的な知識がないと作成が難しいため、司法書士という専門家が代理して行う場合が多いのです。
登記は必ずしなければならない!?
登記をすることは、権利であって義務ではありません。ですので、相続で不動産を取得したのに名義変更である相続登記をしなかったからといって罰則があったりはしません。
しかし、所有権という目に見えない権利を取引対象としている社会での利便性から登記制度というものを採用している以上、登記には一定の効力が認めれています。この登記をしていないことによって、自らの権利の主張が制限される場合もあります。
ですので、義務ではありませんが、自らの権利を確定的なものにし、安全に所有するために、登記をすることを強くおすすめします。
【コラム執筆者】

髙橋 朋宏
プロフィール
経堂司法書士事務所代表司法書士。一般社団法人相続総合支援協会理事。不動産と相続に関する分野に専門性を有する。難しいことを分かりやすく説明することを得意とし、ラジオ出演、新聞・雑誌への寄稿、セミナー、講演活動などを行うタレント文化人。
経堂司法書士事務所|世田谷区で30年の実績 (kyodo-office.com)
